アキレス腱周囲炎とは、原因と症状、治療と予防|さいたま中央フットケア整体院
監修:冨澤敏夫(柔道整復師) N2022-12-20 R2023/8/23
アキレス腱周囲炎とは、原因と症状、治療と予防
アキレス腱周囲炎は、アキレス腱を覆うパラテノンやアキレス腱の奥に存在するkager’s fat pad(脂肪組織)に炎症を起こして痛みます。
パラテノンやアキレス腱の奥に存在するkager’s fat pad(脂肪組織)血管が豊富で、アキレス腱へ血流(栄養と酸素)を供給しています。 アキレス腱炎と合併して起こることが多く、アキレス腱炎は牽引ストレスでの微小損傷や摩擦で繰り返しで起こります。
アキレス腱炎とパラテノンや脂肪組織に炎症が生じ、アキレス腱腱周囲炎を引き起こし、周囲が肥厚して組織同士が癒着することでも痛みます。
発生の起因としては、歩く走る動作でアキレス腱とパラテノンが摩擦で擦れて炎症を起こします。摩擦の原因は、アキレス腱炎を繰り返して炎症を起こし滑りにくくなることや、アキレス腱を強く牽引されて微小損傷を起こすと考えています。
目次
- >アキレス腱周囲炎とは
- >アキレス腱腱炎とアキレス腱周囲炎の違い?
- >アスリートに多い理由とは?
- >アキレス腱周囲炎の原因
- >アキレス腱周囲炎の症状
- >アキレス腱周囲炎になったらどうすれが良いか?
- >やっぱり予防が大切!
- >アキレス腱周囲炎は放置すると慢性化になりやすい!
- >どのくらいで回復するか?
- >やってはいけないこと?
- >喜びの声
- >よくある質問
- >整体法
アキレス腱周囲炎とは?
アキレス腱周囲炎とは?
アキレス腱周囲炎は、アキレス腱の奥(前面)には脂肪体組織(ケーラー脂肪:Kager's fat pad)が存在して圧力への緩衝材とした役割があります。この部分に痛みが起こるのでアキレス腱自体ではなくアキレス腱よりも奥(足首付近)を指で把持すると痛みます。
アキレス腱周囲炎は、単体でなる場合とアキレス腱炎と合併して起こることも多いので注意が必要です。
アキレス腱周囲炎とアキレス腱炎の違い?
アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎の違いは、見分けるのがとても難しいのですが、アキレス腱炎はアキレス腱自体に痛みが出るので、アキレス腱を指で摘まむと痛みます。アキレス腱周囲炎はアキレス腱よりも足首側に痛みが出るので、アキレス腱より奥を摘まむと痛みが出ます。
アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎は、合併して起こることが多いのでどちらも摘まみ、痛みが出たら両方を発症していることになります。
どちらもと治療法は同じであるため、どちらも発症いしていたとしても回復には問題ありません。
アスリートに多い理由とは?
アキレス腱周囲炎(アキレス腱炎も)は、アスリートに多く発症します。その理由は、激しい運動によりアキレス腱付近で過剰な牽引ストレスと摩擦のより、微小損傷が繰り返されて起こるからです。いわゆるオーバーユース(使いすぎ)で、回復に必要な休養が取れていないことが原因になります。
アスリート以外でも起こる場合もありますが、一般の方が歩きすぎない限りはならなと考えてください。
歩きすぎなどの原因がなく、一般の方が発症する場合は当整体院では腰の問題があると考えています。
アキレス腱周囲炎の原因
アキレス腱周囲炎の原因は繰り返す伸展運動などで起こりやすい。
アキレス腱周囲炎は、他の障害と鑑別することが大切です。足関節後方インピンジメント症候群(三角骨などの原因でも起こる)での痛みで、合併して発生している場合もあります。
この部位は隣接しているため炎症が起こると、アキレス腱が痛いと表現する方が多いです。
詳しくは、足関節後方インピンジメント症候群を御覧ください。
三角骨障害とは、足関節(距骨後突起)の後方に存在する過剰骨です。通常ではあったとしても痛みが無いが、バレエでのポアント(足首過伸展位)でのステップやジャンプを繰り返すと痛みが出る場合もあります。また、サッカーでのインステップキックや水泳の足の動きの繰り返しでも発症します。
アキレス腱周囲炎は腰が問題も大きく関係してる。
私が臨床上で確信していることは、アキレス腱周囲炎は腰の問題が大きく関係していることがわかりました。これは、アキレス腱周囲炎の方が腰痛も日頃から感じていることが多いからです。腰痛を感じていなくても私が腰を触診していくと、アキレス腱の悪い側に腰の問題を見つけます。これは他のところでは言われないと思いますが、臨床上では長期悩まれたアキレス腱周囲炎が、腰を調整することで素早く改善する経験をしています。
アキレス腱周囲炎の症状
急性期と慢性期の症状は少し違う。
アキレス腱周囲炎は急性期では炎症で腫れて熱を持ちます。歩く際の蹴りだしで痛みが強く出るので足を引きずった歩き方になります。
慢性化すると足首の動きが悪くなり、朝起きるときや動き始めの痛みなどで生活に支障が出ます。
急性・魔性のアキレス腱周囲炎の症状
朝起きて足を着く時に固まったような強い痛みがでる。(慢性)
座位から立ち上がり歩き始めがこわばり痛みがでる。(慢性)
アキレス腱奥の方を押すと痛みがある。(急性・慢性)
くるぶしの後方を触ると熱感と腫脹がある。(急性)
足首を強く曲げたり、伸ばしたりすると痛い硬い。(慢性・急性)
アキレス腱周囲炎になったらどうすれば良いか?
アキレス腱周囲炎になったらどうすれば良いのかをご説明します。急性期と慢性期では対応が違うのですが、急性期ではアイシングと安静が重要です。慢性のアキレス腱周囲炎が冷やせばよいか、温めればよいか迷うところですが、下記を参考にしてください。
動いて治す?
動いて治す場合は、慢性期のアキレス腱周囲炎です。しかし、慢性期でも炎症が増悪している場合があるので、この場合は安静が必要です。この判断は、アキレス腱付近を触って熱感があるか無いかを確かめてください。熱感があれば炎症増悪してるので安静にしましょう。
通常の慢性期は、適度にアキレス腱に刺激を入れていくことが、早期の回復につながります。マッサージとストレッチでほぐして発痛物質が溜まっている部分を流します。そして、100%動くのでなく60%程度に運動を控えて、徐々に運動強度を上げていくようにしましょう。
安静にして治す?
安静にして治す場合は、炎症が発生している急性期です。例えば、急に痛みが出てきて足を引きずるようになった日から1週間は安静にしましょう。その間はアイシングとアキレス腱を保護するサポーターや包帯をします。
急性期とは、急性痛を発症していて受傷時の起因がはっきりしていて、組織の損傷を伴い、炎症反応がでている期間を言います。
炎症反応が出ているので、揉んだり我慢して動かしていると炎症が悪化して、治りにくくなるのでアイシングと安静固定が必要です。
やっぱり予防が大切!
アキレス腱周囲炎は、骨折・捻挫・打撲など突発的なケガと違い予防ができます。アキレス腱を柔軟に保ち、滑走障害が起きないように日頃からケアしていることで予防できます。
特に慢性の痛みがある場合は予防は効果的です。予防の方法は、マッサージとストレッチで柔軟性と滑走(滑り)を良くします。下記で説明していますので参考にしてください。
アキレス腱周囲炎は放置すると慢性痛になりやすい!
アキレス腱周囲炎は放置は厳禁です。慢性化すると組織が退行性変性(劣化)を早めますので、痛みや違和感を感じたら早期にケアしてください。
長期放置すると、アキレス腱自体にも炎症が広がり腱が弱くなり、アキレス腱断裂の原因にもなります。軽く見ないで大げさなくらいがちょうど良いと思いましょう。
どのくらいで回復するか?
適切な治療であれば、3週間で回復に向かうはずです。もし通院して3か月経過しているのに痛みや腫れが引かない場合は、適切な治療でないため通院を辞めて他の医療施設に移りましょう。
他の病院へ変更する場合の目安は、3週間治療しても変化がない場合や、1回1回の治療で効果が感じられない場合などを目安にしてください。
やってはいけないことは?
やってはいけないことは放置です。痛いのに我慢してプレーしていること、効果が無い治療を長く受けていることです。
炎症期と慢性期ではアプローチ法が違うため間違わないようんしてください。ここを間違えると、早期回復が遅れるだけでなく逆効果になります。
アキレス腱周囲炎の整体コースの流れ
アキレス腱周囲炎の整体コースの流れをご紹介します。根本の改善を目指して入念な施術と、再発予防のための自宅でできる簡単なセルフケア法の指導を行います。
どこへ行っても何をしても、改善しない痛みや腫れ。。
アキレス腱周囲炎が慢性的に痛い、歩くだけでも痛い。
朝起きるときや、座って立ち上がる時の一歩目の強い痛み。
歩く、走る、立っているとつくたびにズキンと痛む。
休むと改善するが、運動を再開すると再発する。
注射などしても一時的で最近は効果を感じない。
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アキレス腱周囲炎の痛みの整体内容
整体コースの流れをご紹介します。根本の改善を目指して入念な施術と、再発予防のための自宅でできる簡単なセルフケア法の指導を行います。
マッサージでほぐす
慢性のアキレス腱周囲炎の痛みは、慢性痛の悪化のメカニズムを起こしています。
アキレス腱付近(足首後方)の浮腫み、発痛物質の発生と停滞により、痛みが強くなる症状をマッサージにより改善させます。
ストレッチで足指の整体
マッサージでほぐした後は、アキレス腱の伸張機能を回復させるためにストレッチで動かして行きます。
アキレス腱周辺のパラテノン(アキレス腱を囲む組織)が硬くなっているので、入念に足首の関節を動かして伸ばします。
足裏アーチ矯正で足裏の機能回復
足裏のアーチ矯正も同時に行います。アーチを整えることでアキレス腱への負担を改善させます。
踵骨、土踏まずの骨などポイントになる部分を丁寧に調整していきます。
腰の調整も行い、アキレス腱の牽引ストレスを回復
アキレス腱周囲炎の原因には腰の問題も大きく関係しています。腰を調整することでアキレス腱に加わる牽引ストレスを回復させます。
他のところでは、腰の問題は見逃されています。当整体院では、アキレス腱の整体と同じくらい腰の整体は大切と考えています。
セルフケア法の指導で改善スピードアップ
自宅で出来るセルフケアで、アキレス腱周囲炎を早く改善させます。整体の効果が持続させる目的もあります。
指導は動画と図解で説明しながら行いますので、どんな方でも簡単に覚えられるため心配は無用です。
アキレス腱の整体のご案内
よくある質問(Q&A)
アキレス腱周囲炎はインソールは有効か?
解答
当整体院に来られる方でインソールを作った時がある方は多いです。私の見解ではインソールや足底板は効果が無いとと考えています。ただ効果があって改善された方は来ない為断言はできません。3か月使用しも効果がなかった場合は、違う治療法を考えましょう。症状が長引くと治りにくくなるので注意です。
テーピングは効果がありますか?
解答
私の個人的意見では、テーピングはほぼ効果が無いと思います。テーピングは補助的なもので、それで治るものではなく、あくまでも補助的な役割です。アキレス腱炎は、原因に直接アプローチしていくことが優先されます。
早く治す方法はありますか?
解答
アキレス腱周囲炎は急に起こるものでなく、徐々に進行して起こった症状です。(急性期は少なく慢性痛になってから医療施設を受診する方がほとんどです。)当整体院では最低3回の整体とセルフケアの指導で、1ヵ月程度は必要かと思います。
自然治癒することはありますか
解答
アキレス腱周囲炎は自然治癒することはあります。アキレス腱の付近に負担がかからない運動を休んでいる辞めたなど、条件が揃えば自然治癒も可能かと思います。私のお勧めは、整体での改善は時間がかからない為、いつまでも悩んでいるよりも積極的に、改善させた方がストレスが無いと思います。
喜びの声
アキレス腱周囲炎が長期治らない30代女性のランナーの症例
走ることが趣味でマラソン大会にも参加するような活動的な女性です。大会に出場しようと練習頻度を上げたことでオーバーユースが原因です。前から時々アキレス腱は痛くなっていたとのことで、アキレス腱炎は起こっていたと考えます。浮腫みがアキレス腱付近に出ているので、マッサージとストレッチで改善させると痛みが軽減しました。(院長の解説)
痛みでもう走れないとあきらめていましたが今は痛くなく走れます。
激痛で足を引きずるほどでした。好きなマラソンが出来ないためストレスもあり、早く治したいとネットで探して、ここが良いと思い来ました。来てよかったです。2週間で痛みがなくなり今は走れます。【30代 女性の声、趣味でマラソン】
アキレス腱炎と診断されて治らず来院した症例
病院でアキレス腱炎と診断されていたが、正確に言うとアキレス腱周囲炎です。違いは、アキレス腱炎はアキレス腱部分を押すと痛いのですが、アキレス腱周囲炎はアキレス腱よりも奥(足首に近い)を、指で把持すると痛みがでます。症状に合ったアプローチをすれば3週間でほぼ痛みは改善します。【院長の解説】
3週間で痛みが無くなりました。
アキレス腱が痛いと思っていましたが、アキレス腱は押されても痛くなくアキレス腱よりも奥の方が痛かったです。正確な診断と適切な治療で痛みが無くなりました。【30代 男性の声、運動はバスケットボール】
慢性化したアキレス腱周囲炎の症例
アキレス腱周囲炎で慢性化した症状です。半年以上を痛みを抱え軽減したり悪化したりと繰り返しています。この状態は慢性痛の病態が存在しているので、慢性痛を改善させるアプローチが必要になります。マッサージとストレッチで血行を改善させて、3週間の足首サポーターで改善しました。【院長の解説】
また野球が再開できるので嬉しいです。
半年近く野球をやめていたのですが、痛みが無くなったので再開しました。前なら再開すると痛みがぶり返していたのですが、今回はぶり返されずに普通にできたのは嬉しいです。【30代 男性の声、会社員、趣味は野球】
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監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)
「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。
日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。
詳しくは、ごあいさつページを御覧ください。
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