疼痛(痛み)は体性痛と内臓痛の二つに分けられる|さいたま中央フットケア整体院
疼痛(痛み)は体性痛と内臓痛の二つに分けられる
疼痛(痛み)を部位で分類すると2つに分けられます。一つは体性痛で、切り傷、怪我などで起こる鋭い痛みで、痛む部位が明確です。もう一つは、内臓痛で、鈍い痛みで痛む部位が明確ではありません。
お腹は内臓の鏡
内臓-体性反射という現象で、臓器により特定の部位に痛みを起こします。内臓自体が痛みを感じるのでなく、内臓から脊髄を介して脳に投射されて、関連した部位に痛みとして発しさせます。この時に、脳は誤認して関係ない部分かが痛くなります。お腹はとくに内臓の鏡として内臓の不調が現れやすい部位です。
体性痛
体性痛(体性疼痛)は、骨格筋・関節・皮ふ・腹胸膜などの部位が、物理的(機械的)に刺激された時に起こる痛みです。
鋭い痛みが持続的して、押して痛む点(圧痛点)と患部が一致するようです。筋性防御などもおこり、身体を動かすことにより痛みが増強されることがある。
体性痛(somatic pain)と言われ、体表に起こる鋭い痛みで痛む部位がわかります。体性痛を引き起こす刺激は、機械的刺激・熱刺激・化学刺激があります。
機械的刺激
圧力でおこる痛みで、例えば「つねる」と痛いのは皮膚に圧力が働き、強くつねると痛みに変わります。これは痛みの閾値を超えることにより痛み感じます。圧力を感じる受容器ははっきり解明されていません。
熱刺激
熱は閾値(お湯42度以上)を超えると痛みを感じます。これは、熱刺激の受容体(TRPV)が42度で発火するからです。冷たいを感じる受容体は、TRPM1・TRPA1などです。
化学刺激
発痛物質(ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミン、※H+、プロスタグランジン)の刺激によるもで、特定の化学物質に反応する受容器(選択的受容器)があり、痛みを引き起こします。
※H+:ヒドロンという水素イオン濃度を表す記号
内臓痛
内蔵痛(visceral pain)は、平滑筋でおこる拡張・過伸展・収縮などでの痛みです。痛みの部位や位置がハッキリしない場合が多く、冷汗、悪心・嘔吐、血圧低下なども伴う場合がある。これは自律神経に影響するためである。
平滑筋とは、自分の意思では動かせない不随意筋で、収縮にはほとんどエネルギーが消費されないため、長く動ける疲労しない筋肉です。胃や腸、子宮、血管、気管、尿管などの中空器官の壁にある筋肉のことをいう。 消化器官の蠕動運動や血管の運動は平滑筋が弛緩・収縮して行なわれている。
内臓の痛みは緊急性が低いため、鈍い痛み(鈍痛)で痛む部位が曖昧なのが特徴です。内臓の痛みは臓器とは別の部位に関連痛を引き起こします。(臓器ごとに関連痛の部位が決まっているため覚えておくと整体が適用かの判別しやすくなります。)
左肩の痛みなのに原因は心臓?
左肩や腕が痛いと訴えて、良く調べると心臓に問題の場合があります。これは関連痛で心臓の場合は、狭心症の場合は、左側に上半身に起こり奥歯や肩、腕、みぞおち、背中などに痛みを感じます。
関連痛
関連痛とは脳がどこが痛いのか判断できずに起こすと言われています。これは内臓から痛みを知らせる神経が脊髄で他の痛みを伝える神経とまとまってしまい脳に送られるため脳が「どこが痛いのか?」判断が出来ずに起こります。これを収束投射説と呼ばれています。
※肝臓・腎臓などの実質部は痛みを感じず、内臓は熱刺激に反応しません。管腔臓器は切られても痛みを感じません。
関連痛が起こる原因は、内臓から痛み伝えてきた神経が脊髄で他の痛みを伝える神経とまとめられて脳に送られるため、脳がどこの痛みなのかを正確に判断できないことで起こるとされています。(これを収束投射説)
このメカニズムは、筋肉の痛みにおける関連痛でも同様であるため大切です。
内臓の痛みからくる関連痛には臓器や疾患ごとにパターンがあるので、整体師は知っていると施術の助けになります。
激しい運動をして筋肉痛になった場合も、関連痛であり痛む部位が広範囲で曖昧な場合が多いです。筋肉の痛みは内臓痛と同じメカニズムで起こるため、障害部位とは別の部位に痛みを引き起こします。この現象はトリガーポイント療法に応用されています。
関連記事
目次
- >痛みとは
- >痛みの分類(原因)、侵害受容器性,神経障害性,中枢性(心因)障害
- >痛みの分類(部位)、体性痛と内臓痛
- >痛みの分類(時間)、急性痛と慢性痛
- >関節の痛みとは、滑液包炎が原因で長期化すると変形性関節炎に
- >治る早さは、症状レベルによる影響する!整体師がわかりやすく解説
監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)
「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。
日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。
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