監修：冨澤敏夫（柔道整復師） 新規投稿2022年9月2日 更新日2025年3月22日

圧迫骨折？腰椎胸椎移行部が好発|原因・症状・治療法を解説

【その痛み、もしかして圧迫骨折？】原因・症状・治療法を徹底解説

「最近、腰や背中が痛む...」「ちょっと動いただけで、ズキっと激痛が...」もしかしたら、それは「圧迫骨折」かもしれません。圧迫骨折は、骨粗鬆症などで骨が弱くなった高齢者の方を中心に、誰にでも起こりうる身近な骨折です。今回は、圧迫骨折の症状、原因、治療法、検査について、あなたの疑問を解消する情報をお届けします。

圧迫骨折とは、背骨（椎体）が圧迫されて潰れてしまう骨折のことです。骨粗鬆症で骨がもろくなっている場合や、転倒などの外傷、まれに腫瘍が原因で起こることがあります。

胸の骨で起こる胸椎圧迫骨折、腰の骨で起こる腰椎圧迫骨折は圧倒的に高齢の女性が多いのが特徴です。

尻もちをついて転倒したり、くしゃみでも起こることがあり、高齢の女性に多い骨粗鬆症も発生の要因になっています。

 

目次

1. 1.圧迫骨折とは
2. 2.圧迫骨折の症状
   • 2-1.腰や背中の痛み
   • 2-3.日常生活動作の制限
   • 2-3.寝たきりになるリスク
3. 3.圧迫骨折の原因
   • 3-1.骨粗鬆症の進行
   • 3-2.転倒や尻もちなどの軽い衝撃
   • 3-3.事故や転移性骨腫瘍の影響
4. 4.圧迫骨折の病院での治療法
   • 4-1.コルセットなどで外固定し、安静にする
   • 4-2.痛みが強い場合は入院治療
   • 4-3.骨粗鬆症の治療（薬物療法など）
5. 5.圧迫骨折の検査法
   • 5-1.レントゲン検査
   • 5-2.MRI検査
6. 6.圧迫骨折の予防法
   • 6-1.骨粗鬆症の予防
   • 6-2.転倒予防
   • 6-3.定期的な骨密度検査
   • 6-4.注意したい日常動作
7. 7.整体院での対応
   • 7-1.圧迫骨折後の整体の流れ
   • 7-2.圧迫骨折後の整体は、3つのアプローチ
   • 7-3.圧迫骨折後の整体の詳細
8. 8.よくある質問
   • 8-1.Q：圧迫骨折後、どのくらいで日常生活に戻れますか？
   • 8-2.Q：圧迫骨折を放置するとどうなりますか？
   • 8-3.Q：圧迫骨折の予防法はありますか？
9. 9.まとめ

 

 

1. 圧迫骨折とは？ - 背骨が潰れる、高齢者に多い骨折

圧迫骨折は、背骨を構成する椎体という骨が、外部からの圧力によって潰れてしまう骨折です。骨粗鬆症で骨が弱くなった高齢者に多く見られますが、若い人でも交通事故や転落などの強い衝撃で発症することがあります。

主な原因は、骨粗鬆症による骨密度の低下です。骨がスカスカの状態になると、通常では骨折しないような軽い衝撃、例えば尻もちをついたり、重いものを持ち上げたりするだけでも骨折することがあります。

圧迫骨折は、背骨の変形や痛みを引き起こし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。早期発見・早期治療が重要です。

腰椎圧迫骨折は骨粗鬆症なども関係している。

腰椎圧迫骨折は、腰椎（脊椎の下部）に強い圧迫が加わり骨折します。多発する部位は、胸椎と胸椎の移行部（第12胸椎、腰椎1番）です。

安静にしていれば痛みは少ないのですが、動かしたときには痛みが強く起ります。

くしゃみでも起こることがあり、高齢者では骨密度の低下で椎体が脆くなりることも原因です。

 

 

2. 圧迫骨折の症状 - 放置すると寝たきりになることも

圧迫骨折の主な症状は、腰や背中の痛みです。しかし、痛みの感じ方には個人差があり、中にはほとんど痛みを感じない人もいます。痛みが軽いからといって放置すると、骨折が進行し、日常生活動作が制限されたり、寝たきりになったりするリスクがあります。

腰椎圧迫骨折は人により痛み痺れの表現が変化する。

腰椎圧迫骨折の急性期では、寝返りなど身体を動かすだけで強い痛みが起こります。起き上がる際には辛いのが特徴です。

痛む部位はほぼ特定できるので、痛み部位を軽くたたくと響いて痛みが増強します。高齢で多発すると背中が丸くなり円背で背が低くなります。

2-1. 腰や背中の痛み - 動作時に痛みが強くなる

圧迫骨折による痛みは、動作時に強くなるのが特徴です。例えば、起き上がりや寝返り、立ち上がり、歩行などで痛みを感じることがあります。また、咳やくしゃみ、排便時のいきみなど、腹圧がかかる動作でも痛みを感じることがあります。安静時には痛みが軽減することが多いですが、中には安静時にも痛みを感じる人もいます。

2-2. 日常生活動作の制限 - 痛みをかばうことで姿勢が悪化

圧迫骨折による痛みは、日常生活動作を制限する要因となります。例えば、痛みをかばうために姿勢が悪くなったり、歩行が困難になったりすることがあります。また、痛みのために活動量が減少し、筋力低下や関節拘縮を引き起こすこともあります。日常生活動作の制限は、精神的なストレスにもつながり、生活の質を著しく低下させます。

2-3. 寝たきりになるリスク - 骨粗鬆症との関連性

圧迫骨折は、寝たきりになるリスクを高める要因の一つです。特に、骨粗鬆症を合併している高齢者の場合、圧迫骨折をきっかけに活動量が低下し、寝たきりになることがあります。寝たきりになると、さらに骨密度が低下し、新たな骨折を引き起こすという悪循環に陥ることもあります。圧迫骨折を予防し、寝たきりにならないためには、骨粗鬆症の早期発見・早期治療が重要です。

 

 

3. 圧迫骨折の原因 - 骨粗鬆症、外傷、腫瘍など多岐にわたる

圧迫骨折は、骨が脆弱になることで発生します。主な原因は骨粗鬆症ですが、外傷や腫瘍も原因となり得ます。原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。

腰椎圧迫骨折を引き起こす原因はなんだろうか？

腰椎圧迫骨折は、病院でレントゲンやMRIで検査をすると、骨に骨折（圧迫でつぶれた椎体）が見られます。数年前に起こった圧迫骨折でも痕跡を確かめられます。

主な原因として、交通事故・スポーツ時の怪我・転倒などです。高齢であれば骨密度の低下による骨粗鬆症で、尻もちなど衝撃がないのに、くしゃみや重いものを持つ瞬間、同じ作業での負担が原因にもなります。

3-1. 骨粗鬆症の進行 - 骨密度の低下がリスクを高める

骨粗鬆症は、骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。特に閉経後の女性や高齢者に多く、骨粗鬆症が進行すると、日常生活でのわずかな衝撃でも圧迫骨折を起こしやすくなります。骨粗鬆症の早期発見と治療が、圧迫骨折予防の鍵となります。

3-2. 転倒や尻もちなどの軽い衝撃 - 高齢者は特に注意が必要

高齢者は、若い人に比べて骨が弱くなっているため、転倒や尻もちなどの軽い衝撃でも圧迫骨折を起こすことがあります。特に、バランス感覚が低下している高齢者は、転倒リスクが高いため、日常生活での注意が必要です。

3-3. 事故や転移性骨腫瘍の影響 - 若年層も注意が必要

交通事故や転落事故などの強い衝撃は、若い人でも圧迫骨折の原因となります。また、がんが骨に転移することで、骨がもろくなり、圧迫骨折を起こすこともあります。若年層も、事故や病気による圧迫骨折のリスクを認識しておく必要があります。

 

 

4. 圧迫骨折の病院での治療法 - 保存療法が基本、重症例は手術も

圧迫骨折の治療は、痛みの軽減と骨折部の安定化が目的です。多くの場合、保存療法で改善しますが、重症例では手術が必要になることもあります。

腰椎の圧迫骨折の箇所を特定します。

病院での治療法は、触診などで圧迫骨折の疑がある場合は、場所の特定の為に検査（レントゲン・MRIなど）から始まり、急性期でも陳旧性（古いもの）でも確かめられます。

急性期では、炎症を抑える為に冷やして薬を飲みます。専用のコルセットも作成して1、2週間は安静にします。

椎体骨折部分の骨癒合を待つしかなく、潰れた椎体は元に戻ることはありません。

骨粗鬆症などある場合は、静脈注射や内服薬を行い、定期的に薬の効果を確かめる為に骨密度を検査していきます。

慢性痛に移行した場合は、電気・牽引・超音波などがります。リハビリで運動療法、ストレッチや筋力強化などで対応します。しかし、無理な強い刺激は避けましょう。

4-1. コルセットなどで外固定し、安静にする - 痛みの軽減と骨折部の安定化

コルセットなどの装具で背骨を固定し、安静にすることで、痛みを軽減し、骨折部の安定化を図ります。痛みが強い場合は、鎮痛薬を併用することもあります。

4-2. 痛みが強い場合は入院治療 - 専門的なケアが必要

痛みが激しい場合や、日常生活動作が著しく制限される場合は、入院治療が必要です。入院中は、安静を保ちながら、専門的なケアを受け、痛みのコントロールやリハビリを行います。

4-3. 骨粗鬆症の治療（薬物療法など） - 再発予防にもつながる

骨粗鬆症が原因で圧迫骨折を起こした場合、骨粗鬆症の治療も並行して行います。薬物療法や運動療法など、患者さんの状態に合わせた治療法を選択し、骨密度の改善と骨折の再発予防を目指します。

 

 

5. 圧迫骨折の検査法 - レントゲン、MRIなどで詳細な状態を把握

圧迫骨折の診断には、レントゲン検査やMRI検査などが行われます。これらの検査により、骨折の有無や程度、周囲の組織の状態などを詳細に把握し、適切な治療法を選択します。

5-1. レントゲン検査 - 骨折の有無と程度を確認

レントゲン検査は、圧迫骨折の有無や程度を診断するための基本的な検査です。骨の形状や位置を確認し、骨折の程度を評価します。

5-2. MRI検査 - 神経の圧迫や周囲の組織の状態を確認

MRI検査は、レントゲン検査では確認できない、神経の圧迫や周囲の組織の状態を詳細に確認するために行われます。特に、神経症状を伴う場合や、手術が必要な場合に有用です。

 

 

6. 圧迫骨折の予防法 - 骨粗鬆症対策と転倒予防が重要

圧迫骨折の予防には、骨粗鬆症対策と転倒予防が重要です。日常生活での注意や、定期的な検査により、圧迫骨折のリスクを減らすことができます。

腰椎圧迫骨折は日頃のセルフケアが大切

腰椎の圧迫骨折を予防する方法は、姿勢を正しく保つ努力をすることです。姿勢を維持する筋肉を弱らせないこと、普段から姿勢は丸くならないように気を付けることです。

骨密度も低下させないように食べものも気を付けて、適度な運動は必要です。日光浴もビタミンＤを生成するために大切です。

運動をすることで筋肉が収縮します。筋肉は骨についているため、骨に刺激が入り骨密度が増えます。歩くだけでも骨に衝撃があるため予防に適しています。

6-1. 骨粗鬆症の予防 - 食事、運動、薬物療法など

骨粗鬆症の予防には、カルシウムやビタミンDを豊富に含むバランスの取れた食事、適度な運動、薬物療法などが有効です。特に、閉経後の女性や高齢者は、積極的に骨粗鬆症対策を行いましょう。

6-2. 転倒予防 - バランス感覚の維持と住環境の整備

転倒は、圧迫骨折の大きな原因となります。バランス感覚を維持するための運動や、滑りにくい靴の使用、手すりの設置など、住環境の整備が重要です。

6-3. 定期的な骨密度検査 - 早期発見・早期治療につなげる

定期的な骨密度検査により、骨の状態を把握し、骨粗鬆症の早期発見・早期治療につなげることができます。特に、骨粗鬆症のリスクが高い人は、定期的に検査を受けましょう。

6-4.圧迫骨折の方が注意したい日常動作で腰の痛みは予防できる

注意したい日常生活動作があります。間違った動きで腰痛を悪化させないだけでなく、正しい動きをすることで慢性腰痛も改善できるのです。

 

 

7.腰椎圧迫骨折後の慢性痛の整体コースの特徴

整体コースの流れをご紹介します。根本の改善を目指して入念な施術と、再発予防のための自宅でできる簡単なセルフケア法の指導を行います。このコースの目標は「さいたま市から腰痛を撲滅」することです。

7-1.圧迫骨折後の整体の流れ

①カウンセリング 腰周辺の痛みを引き起こす原因を見つける為に質問をいたします。

②腰の整体施術 腰の周辺をほぐして、動きを良くするために整体を加えていきます。

③セルフケア指導 早く改善させる為に、自宅で行う腰のセルフケアをご指導します。

④次回の来院指導 早く効果を出すために、最適な来院時期を御提案いたします。

 

 

7-2.圧迫骨折後の整体は、3つのアプローチ

腰の周辺の筋肉が硬くなり血行不良があります。そして、筋肉が硬く縮み（拘縮）して骨盤や腰椎を歪ませます。

根本原因を改善することで、確実に回復を促し再発を予防します。（私が証言します。）

腰椎圧迫骨折後の慢性痛は、強い刺激は禁忌です。

7-3.腰痛整体コースのご案内

 

 

8. 圧迫骨折でのよくある質問

8-1. Q：圧迫骨折後、どのくらいで日常生活に戻れますか？

A：圧迫骨折後の回復期間は、骨折の程度や患者さんの年齢、健康状態によって異なります。一般的には、コルセットなどの装具を装着し、安静に過ごすことで、数週間から数ヶ月で痛みが軽減し、日常生活に戻ることができます。ただし、完全に骨が癒合するまでには、さらに時間がかかる場合があります。リハビリテーションを行うことで、早期の回復と日常生活への復帰をサポートします。

8-2. Q：圧迫骨折を放置するとどうなりますか？

A：圧迫骨折を放置すると、痛みが慢性化し、日常生活動作が制限されることがあります。また、骨折した椎体が変形し、背骨が曲がってしまうこともあります。さらに、痛みをかばうために姿勢が悪くなり、他の部位に負担がかかることで、新たな痛みや不調を引き起こす可能性もあります。最悪の場合、寝たきりになるリスクも高まります。早期の適切な治療が重要です。

8-3. Q：圧迫骨折の予防法はありますか？

A：圧迫骨折の予防には、骨粗鬆症対策と転倒予防が重要です。骨粗鬆症予防としては、カルシウムやビタミンDを豊富に含むバランスの取れた食事、適度な運動、薬物療法などが有効です。転倒予防としては、滑りにくい靴を履く、手すりを使う、段差をなくすなど、住環境を整備することが大切です。また、定期的な骨密度検査を受けることで、早期に骨粗鬆症を発見し、適切な対策を講じることができます。

 

 

まとめ

この記事では、圧迫骨折の症状、原因、治療法、予防法について詳しく解説しました。圧迫骨折は、早期発見・早期治療が大切です。少しでも気になる症状があれば、放置せずに整形外科を受診しましょう。適切な治療とリハビリを行うことで、痛みを軽減し、日常生活を取り戻すことができます。

圧迫骨折は、適切な予防法と早期治療で、その影響を最小限に抑えることができます。日頃から骨粗鬆症予防を心がけ、転倒に注意して生活しましょう。もし圧迫骨折になってしまった場合でも、あきらめずに医師と相談し、適切な治療とリハビリに取り組むことで、再び快適な生活を送ることができます。

高齢者だけでなく、若い人でも起こりうる身近な骨折です。この記事を参考に、圧迫骨折についての理解を深め、ご自身の健康管理にお役立てください。もし、圧迫骨折に関する不安や疑問があれば、お気軽に専門医にご相談ください。

 

 

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監修：冨澤敏夫（柔道整復師・整体師）

「１０秒かかと上げで足裏の痛みが消える！」（KADOKAW）、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える！」（現代書林）のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。

日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の１年間の連載も好評でした。

 

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