膝の内側が痛い理由に鵞足炎と変形性膝関節症が原因にある場合とは?
膝の内側が痛い理由に鵞足炎と変形性膝関節症が原因にある場合
膝の内側の痛みが長引く方は必見。原因不明と言われて不安な気持ちで生活してませんか? 直接的な原因だけでなく、根本的な原因をいろいろな視点から解説します。当整体院で指導している膝のセルフケア法を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
鵞足炎
鵞足炎とは、膝の鵞足(がそく)の部位が炎症を起こしている状態です。この鵞足(がそく)は、膝から5cmほど下がったすねの部分にあり、その部位に縫工筋、薄筋、半腱様筋がついている場所を言います。ガチョウの足に似ていることから鵞足といわれています。
症状
鵞足炎は痛み主訴で、膝から5cmほど下がったすねの内側を押すと痛んだり、運動の後に痛みや腫れがでて熱を持ったりする症状です。
急性期は、安静にしていても膝から5cmほど下がったすねの内側が痛むことがあります。ズキンと強い痛みを感じます。
原因
膝から5cmほど下がったすねの内側の鵞足という部分に、縫工筋、薄筋、半腱様筋という筋肉が固まってついているので、走る・ジャンプなど膝の動作負荷が集中しやすい場所となっています。
鵞足炎は、膝の曲げ伸ばしを頻繁に行ったり、膝から下を外側に捻る動作が多い運動を継続的に行ったりする競技に多く見られる症状です。
原因となるスポーツは多く、中でも多いのがランニング、バスケットボール、サッカー、水泳の平泳ぎなどの競技が、膝の内側(駕足)に負担が加わります。
鵞足炎を引き起こすきっかけになること
・ 運動前の準備運動、ストレッチ不足。・ 運動のフォームややり方が良くない。・ シューズのサイズや合わないものを使用した。・ 体が硬い(筋肉が硬い)・ 運動していないのに急に運動を始めた。・ 膝を怪我した時がある。
治療法
薬物療法とアイシング、そしてストレッチを行います。
鵞足炎は炎症を伴う疾患であり、痛みは炎症が起こることで感じます。病院での治療では、痛み止めや湿布などで痛みを鎮痛します。
急性期ではアイシング(冷やす)で炎症で熱感を取ります。炎症が落ち着いたらストレッチなどで駕足に加わる負担を緩和させます。
鵞足についている筋肉を伸ばして緩ますことで、膝を動かした時に鵞足についている筋肉から伸びる腱(骨の付着部)に、過剰な負担がかからないように改善します。
硬くなった筋肉が伸びる際に、駕足の部位に付着している腱が、牽引されて剥がれる負担がかかってしまいます。繰り返す刺激は炎症を引き起こすため、ストレッチを行うことで、筋肉の伸張性を高めて症状を軽減させます。
再発を防ぐ
鵞足炎は治っても繰り返し再発することが多く、原因は、駕足に負担がかかる動作の繰り返しで、オーバーユース(使いすぎ)です。鵞足炎になりやすい方には、鵞足に負担のかかる構造や動きの癖があることが言われています。
鵞足炎が一度回復したからと言って、安心して競技に復帰すると、一度負傷した鵞足は弱くなっているので、また負担が集中すると鵞足炎になる悪循環が起こります。
治すときは焦らずに鵞足炎を治療することが大切です。再発しないようにフォームや癖を修正することをお勧めします。もちろん、シューズなどの選び方も注意して再発防止に努めましょう。
有効なストレッチ法
1.ハムストリングのストレッチ
太ももの裏側の筋肉をストレッチして鵞足炎を予防します。
2.太もも内側の筋肉のストレッチ
変形性膝関節症
膝の内側が痛む疾患で、中高年に最も多い疾患は変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)が有名です。
国内では変形性膝関節症の患者数は約2530万人と報告されています。加齢に伴い膝の内側に違和感が起こり、膝の内側が痛くなった場合には変形性膝関節症が疑われます。
日本人にはO脚が原因で変形性膝関節症の内側の痛みが多いとされ、膝痛の日本人のうち9割がO脚とも言われています。
O脚は立つ歩く時に膝の内側の関節裂隙(隙間)に過剰に体重がかかります。長年続くと、膝の内側の関節軟骨の摩耗を引き起こします。
そのため膝の内側の関節の隙間が狭くなるため、O脚がさらに進行して膝の内側が痛む症状が起こります。
症状
初期は、歩く時や階段の昇り降り、座る時にしゃがむ動作や椅子からの立ち上がりなど、膝を曲げ伸ばし動作で痛みます。
変形性が進行すると、初動作痛(動きはじめ)だけでなく歩行中でも膝が痛みます。
さらに進行すると、歩行困難や階段が痛くなってきます。炎症期ではじっと横になっていても痛みます。
痛いと出かけることが少なくなり、筋力が低下して変形性膝関節症を進行させる悪循環に陥ります。
そのような状態では、立つ・歩く・段差を上るといった動作に支障をきたし、ロコモティブシンドロームや、フレイル(要介護手前の状態)となり健康寿命を短くしてしまう恐れがあります。
原因
変形性膝関節症の主な原因は加齢とO脚や若い時の怪我ですが、その他にも肥満、運動不足や歩きすぎ・運動のしすぎ・長期の重労働などが悪化要因にあります。
年齢と共に膝関節の軟骨はすり減っていきますが、発症しない方と発症する方が存在する理由としては、色々な悪化要因が関与していると考えます。
遺伝性(骨格が似ている)も大きく関与しているとも言われています。
病院での治療法
病院での変形性膝関節症の治療は、痛みなどの症状や進行の程度により、保存療法と手術療法に区別されますが、現在は第三の選択肢としてバイオセラピー(再生医療)も検討されることも多くなりました。
保存療法
通常では、薬を用いた薬物療法と運動療法などと併用して行われます。
膝の保存療法では筋力強化やストレッチを主体とした運動療法が主流です。運動療法は自身の努力も必要ですが、副作用などのリスクがなく、安全に行えばとても有効な治療です。
薬物療法は、消炎鎮痛剤の内服や外用(湿布)の他に、関節内注射療法があり、関節の中にヒアルロン酸を注入して、潤滑油とクッションの補助を行います。効果は抗炎症作用により除痛効果や、軟骨摩耗を防ぐことを期待しています。
変形性膝関節症は、保存療法が先に行われて経過観察を行います。変形性膝関節症が軽度から中等度の場合で、痛みが比較的軽度で生活に大きな支障が無い場合は保存療法が選択されます。
手術療法
保存療法で経過関節しても膝痛の変形が進行するのであれば、血液検査などを再度行い関節リュウマチなどがないかを調べます。
他の病気が発見されず、軟骨摩耗が進み骨の変形が進んでいたら、重度の変形膝関節症と判断して手術療法が検討されます。この場合は患者様の希望も聞いて判断します。
変形性膝関節症の手術では、代表的な人工関節置換術があります。
人工関節置換術は、膝の骨が摩耗したり変形したりした部分の骨や軟骨を切り取り、人工関節(金属など)に置き換えることで痛みを取り除き、関節機能を取り戻します。
膝の手術療法は最終手段と考えて、保存療法を的確に行い経過観察を慎重に行ってからで遅くはありません。十分に検討して答えを出しましょう。
まとめ
膝の内側の痛みの原因には、鵞足炎と変形性膝関節症がありますが、他にも原因や病気が考えられるため、画像検査などは必ず行いましょう。
駕足炎か変形性膝関節症かを見分ける方法としては、年齢層や活動内容などを参考にしてください。
若い方でスポーツ活動で膝の内側が痛み出した場合は鵞足炎が疑われます。50歳以上で膝の内側が痛み出した場合は変形性膝関節症が疑われるでしょう。
膝の内側に痛みをもたらす疾患は他にもあり、靭帯損傷・半月板損傷といった外傷の可能性もあります。
ある程度の年齢が来た方が、痛みを我慢して放置したら変形性膝関節症が進行して末期になっていた場合もあります。
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監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)
「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。
日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。
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